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July 17, 2005

白愁のとき(夏樹静子)

52歳という働き盛りの造園設計家・恵門潤一郎を突然襲った「アルツハイマー病」
それは、ゆるやかに、確実に、心と体を冒してゆく。
男の絶望と救済を、精妙な叙情あふれる筆致で描いて、新境地を拓く長編小説。
                              (出版社/著者からの内容紹介)

夏樹静子さん御自身の心因性の腰痛と戦った「椅子が怖い」
「心療内科を訪ねて」-心が痛み、心が治すを読んでいたので
この方が書いた若年性アルツハイマーを扱った小説を是非読みたいと思った。
もっと前に角川から文庫化されていたが、私の買ったのは新潮社版。

読み終えて、何か違うと思った。

勿論しっかりとした裏づけがある訳で、最後に参考文献が列記してある。
主人公が「これからどう生きようか?それとも死んでしまおうか」と
揺れる気持ちが描かれるが、救済の一つが、最後かもしれない
と始めた不倫。もう一つは幼馴染に依頼された町おこしの公園。

男の救済は不倫なの?
病気について克明なだけにこの設定が不快だ。
苦しいとすぐ愛人のもとに逃げていく。
夫なり父親なりの病気で悩んでいる家族は置き去りなの?
小説としても失礼じゃないの。

実際にアルツハイマーになった人や家族の記録を読むと、
こんな浮ついた救済なんて求めていないよ。
みんな必死に本人と家族が一体になって、より良い方向に向かって
進んで行こうとしている。

本の紹介に苦しんだ末にたどり着いた救いとあったので
何か悟りのようなものを想像していただけに、これじゃ参考にもならない。
私の読み方が間違っているのかもしれないけれど。

ミステリーではない夏樹静子さんの本(こちらはお勧めです)

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